戦略広報実績事例インタビュー
白石グループ 戦略広報の実施インタビューVol.2 今回はグループ3社からメンバーを集め広報委員会を設置し、TAKKと共に戦略広報を実施している委員長の加藤氏からお話をお伺いさせて頂きました。 未経験からのスタート、100周年プロジェクトが大きな転機に TAKK八並:まずは、広報委員会がスタートした経緯から教えてください。 加藤氏: 最初はね、広報活動に対して全然協力してもらえなくて。本当に苦労しました。100周年プロジェクトの立ち上げは2019年から。主要3社である白石工業株式会社、白石カルシウム株式会社、株式会社白石中央研究所から、部署・役職の異なる様々なメンバーによって構成され、スタートしました。私自身は2年前から広報委員会に参加しました。 正直言うと、参加当初はまだまだ社内からの理解を得るのが難しく、後ろ向きな反応も多かったのです。みんな、広報の重要性をあまり理解してくれていなかったように思います。協力してくれる人もなかなか集まらなくて正直、心が折れそうになることもありました。 3社が協力して「白石グループ」として発信を行ったのは100周年のプロジェクトが初めてでした。当時は広報委員会もなかったので、Webサイトなどのツール制作や情報発信は会社ごとに行うのが通例だったんですが、そのため各社が異なるやり方や考えを持っており初めのうちはすり合わせに時間がかかりました。 それでも、100周年という大きな節目を迎えるにあたり、3社が協力して作り上げたスローガン「UNITED ONE」や記念式典は、グループとしての結束力を高める大きなきっかけとなりました。 TAKK湯浅コメント:100周年プロジェクトは、白石グループの広報活動にとって大きな転換期となりました。このプロジェクトを通じて、グループとしての連携強化と広報活動の重要性の認識が高まりました。プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。 広報活動の成果と課題 TAKK八並:広報委員会発足後の成果はどういったものがありましたか? 加藤氏: 100周年プロジェクトを機に、グループとしての広報活動を継続的に行うために、正式に広報委員会が発足しました。TAKKにも引き続きご支援いただきながら、ステークホルダーを意識した活動へとシフトしています。 社内で広報体制ができたことによりおかげさまで、社内・社外の方々からWebサイトが非常にわかりやすくなったというお声をいただいたり、社内報についても『社内のことをもっと知りたいのでぜひ続けてください』と言ってもらえたりもしているので、とても励みになりますね。 こうした広報活動の成果を実感する一方で、課題も感じています。 TAKK八並:どういったところに課題を感じていますか? 加藤氏: 広報委員会は2年任期でメンバーを入れ替えているのですが、兼務で広報委員会に入ってもらうので負担にならないような工夫もしています。『広報委員会での活動が、自分のメインの仕事に活かされたらいいな』と感じてもらえるように、広報の面白さや重要性を伝えていきたいなと考えています。 TAKK湯浅コメント:広報委員会は、Webサイトを中心に社外広報を行うチームと、社内報を中心に社外内広報を行う2つのチームにて運営しています。それぞれ月1回のMTGを行い、実務に関しては事務局の皆さんや、TAKKスタッフが関わり負担を減らすよう進行しています。 広報の力で営業活動を加速させる TAKK八並:広報活動を通じて、会社全体をどのように活性化させていきたいと考えていますか? 加藤氏: 本社と工場現場では、広報活動の認知度に差があるかもしれないとも感じていて、定期的にアンケートを実施して、現場の声を吸い上げることも大切ですね。 最近では、インターンシップのプログラムにも広報活動を取り入れ、学生からの意見も積極的に聞いています。若い世代の柔軟な発想は、私たちにとっても刺激になります。広報活動を通じて、若い人たちが成長できるような環境も作っていきたいですね。 広報委員長としての想い TAKK八並:広報委員長としての想いをお聞かせください。 加藤氏: 私自身、広報委員長になってから多くのことを学びました。最初は理解を得られず、孤独を感じることもありましたが、諦めずに活動を続けることで、少しずつ仲間が増え、成果もついてきました。広報活動って、どうしても『やらなきゃいけない仕事』ってイメージを持たれがちですよね。だから、少しでも楽しんでもらえるように、雰囲気作りを大切にしています。 今では、広報活動の面白さや重要性をもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。社員一人ひとりが会社の価値を理解し、それを積極的に発信できる会社にすることが、私の使命だと感じています。広報っておもしろいんです。好奇心がくすぐられるんですよね。広報委員会に参加してから、様々な広報物を見て、興味が持てるようになりました。いろんな視点で考えるようになったのは楽しいし、成長を感じます。 これからも、広報委員長として、そして一社員として、会社をより良くするために挑戦を続けていきます。 TAKK湯浅コメント:白石グループ様はTAKKと広報委員会を立ち上げてから5年目に入りました。始めは広報する為に何も無かった広報ツール制作を進め、社内理解をアップするために様々な社内浸透活動も行いました。今では、加藤氏が仰られているように更に広報委員会の重要性や結果を、社内外含め認めてもらうことが重要かと考えており、広報活動で定性的なものだけではなく定量的な結果を出せてればと存じます。
2024.10.23
戦略広報実績事例インタビュー
バンダイナムコインディア 取締役 兼 COO 八木健夫氏 バンダイナムコグループのインド現地法人Bandai Namco India Private Limitedは、2020年1月よりアミューズメント施設「NAMCO Seawoods Grand Central(ナムコ シーウッズ グランドセントラル店)」を、ナビ・ムンバイ地域にある商業施設「Seawoods Grand Central」内にオープンし、運営しています。http://www.bandainamcoindia.com/ 「戦略広報って何だろう?」新たな視点を持つことで顕在化した課題の本質 当社にとってインド国内唯一の施設でありながら、商業施設と同時にオープンしたということもあって、どのようにしてお客様に存在を認識してもらい、来店いただくかが最大の課題でした。 そこで、戦略広報プロジェクトマネジメントという視点からTAKK Corp.にご協力を依頼したことがきっかけです。そもそも戦略広報とは何か、を考えていくことから私たちの広報活動はスタートしました。 まずは現状の課題について、ご提案いただいたフレームワークを使って整理していきました。すると、施設がオープンしているにもかかわらずウェブサイトを開設していないことや、プロモーション計画ができていない、などの事実が浮き彫りになると同時に、施設・サービスへの理解が足りていないのではないか、という自分たちの課題意識へと繋がっていきました。 そこからはもう一度施設について理解するためのディスカッションを、TAKK Corp.を交えて丁寧に行いました。店の場所はここで、ショッピングモールはこういうもので、価格はこうです、というように。サービスの中身についてもプライズゲーム、アーケードゲームなど一つひとつ挙げて理解を深めていきました。 ディスカッションに利用したホワイトボード そうするうちに大きな気づきが生まれます。それは、私たちは自分たちの施設について「ゲームをコンテンツとした施設」と認識していただけに過ぎなかったということ。認知度を上げることから必要なインドでこの施設を成功させるには、単に「ゲームで遊ぶための場所」で完結させてはいけない。ゲームはあくまでコンテンツ(モノ)で、それによって得られる体験や感情などのあらゆる要素がお客様にとっての価値であり、その空間とサービスを提供できることが私たちの強みなのではないだろうか。この気づきが、私たちの広報活動におけるコンセプトになっていきました。 「とにかく今、できることをやる」方向性が定まり、よりチームの加速力は上がった コンセプトが定まり、次は具体的なアクションプランに落とし込んでいきます。「私たちだからできること」を軸に、アーケードゲーム大会の企画や、学生向けに社会科見学を実施してみないか、企業向けに研修の場として提供できないか、など施設のあらゆる可能性についてチームで出し合いました。そうして数々のアイデアの中で実際に実施することになったのが、ゲーム大会とバースデーパーティです。 ゲーム大会は、施設のオープンから2ヶ月後の3月半ばに数日間実施しようと決めて、順調に準備を進めていました。ところが、コロナウイルスの影響で商業施設が長期の休業を余儀なくされ、開催できたのは初日の1日だけ。こればかりは想定外で、施設を運営することが唯一の事業であり収益源だった私たちにとっては深刻な問題でした。営業が再開できない以上は収入が見込めないわけですから、支出をできるだけ食い止めようと考える一方で、閉店している間もビジネスになることがないか、メンバー同士で議論を重ねました。 ゲーム大会の現地広告 その時に出てきた企画の一つがオンラインバースデーパーティです。各家庭で開かれていたであろうバースデーパーティがコロナの影響によってできなくなってしまった子供たちへ希望を募り、私たちがオンラインパーティを演出するという企画です。 オンラインバースデーパーティの様子 当日はスケジュールを組んで司会進行を行い、ゲストのご家族やお友達同士がオンラインで繋がりながら、会話やゲームを楽しんでいただきました。 このように、直接会うことができない状況を活用したコミュニケーションの場を創り出せたのは、初めにコンセプトを決めていたからだと思います。 この企画のWEBシステムの開発とスキームにおいては、現地で採用したWEBデザイナーが貢献してくれました。実は広報のコンセプトを決めた時に、クリエイティブに精通した人材が社内に必要だという話にもなり、WEBとグラフィックのデザイナーをそれぞれ採用していたのです。この時にスキルチェックシートを用意してくれたのもTAKK Corp.です。扱えるソフトやポートフォリオなどの実務的なチェックポイントのアドバイスだけでなく、私たちの広報戦略を実現するために必要な視点も示していただけたので、チームビルディングもスムーズでした。 現地で採用したエンジニアが開発したメディア http://www.bandainamcoindia.com/VBP/ 約9ヶ月という長く苦しい休業期間でしたが、常に何かできることを見出し、動き続けたことが、現在も店舗が存続している事実に繋がっていると思います。営業再開日はちょうどクリスマスの日だったのですが、バースデーパーティのノウハウを活かして、取引先の方々をオンラインクリスマスパーティにお招きしました。 私たちはTAKK Corp.の支援を通して、目の前の課題に対して自分たちの力で考え、継続するということが難なくできるようになったと感じています。 広報として自走できる体制が整い、次のステージへ デザイナーを採用したことで最もプラスになったのは、何かを発信する際のスピードの速さではないでしょうか。広報活動は企画と発信の繰り返しですが、デザイナーが社内にいることで、思いつきの段階でもイメージが形になっていくプロセスを確認しながら進めることができるので、決定までが速いのです。 先日もメンバーズカードのデザインの改訂を行っていましたが、まず私からデザイナーに趣旨を説明し、鉛筆書きのラフの段階で見せてもらいます。細かいプロセスごとに確認を入れながらイメージをアップデートできたので、認識のずれがなく、スムーズにデザインを作成することができました。 メンバーズカードの改訂デザイン このやり方については、以前よりTAKK Corp.に議論をまとめていただいたり、ポイントをご指摘いただいたりした時の経験が活きています。どんな物を作る時にもケーススタディに基づいて考えられるので、活動全体の効率が上がったと感じています。 コロナ禍がピークを過ぎた今、施設が利益を生み出すための施策について本格的に考える時期を迎えています。バンダイナムコグループとしても、来年度から企業理念体系を新たに「パーパス」として制定し、ゲームコンテンツを提供する存在から、お客様と繋がり、共に創る存在になれるようさらに力を入れていきますので、チャレンジの多いフェーズに入っていくと思います。 もちろん、インドのお客様に向けても同じで、ゲームの枠を越えて、日本で親しまれているキャラクターやコンテンツをお楽しみいただけるよう活動を推進していきたいと思っています。今後は、その目的を踏まえた活動コンセプトをTAKK Corp.と一緒に考えていけたら嬉しいですね。 PAC-MAN™&©️BANDAI NAMCO Entertainment Inc. プロジェクト担当者コメント TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓 戦略広報の視点から戦略を練り、コンセプトを決め自走できる体制と組織作りをお手伝いさせて頂きました。 広報戦略および広報コンセプト立案 集客戦略立案 広報チームの人材採用とチームビルディング 戦略広報プロジェクトマネジメント業務の詳細はこちら https://takk.tech/news/prpm
2022.7.04
戦略広報実績事例インタビュー
南海部品株式会社 営業部WEB課 杉本幸一氏 南海部品株式会社は、オートバイなどのモーターサイクル関連用品専門店(直営店・フランチャイズ店・ECサイト「NANKAI BRAND SHOP」)の運営を行っており、オリジナル商品から海外ブランドまで広く取り扱っています。昭和26年の創業から二輪用品市場を牽引し、2023年には70周年を迎えます。http://www.nankaibuhin.co.jp/ 完成のその先を見据えたゴール設定がプロジェクト継続のカギ 私が所属するWEB課では、主に自社ホームページやECサイトの企画運営と、CRM・CSなど顧客体験向上のための取り組みを担当しています。 1年ほど前から、より多くのお客様に商品を知っていただくための情報発信力を強化する目的でECサイトを立ち上げようと考えており、TAKK Corp.に制作を依頼させていただきました。 https://takk.tech/news/%e5%8d%97%e6%b5%b7%e9%83%a8%e5%93%81%e5%88%9d%e3%81%ae%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%82%b8%e3%83%8a%e3%83%ab%e5%95%86%e5%93%81%e3%82%84%e5%ba%97%e8%88%97%e5%95%86%e5%93%81%e3%82%92web%e4%b8%8a%e3%81%a7 実店舗をご利用いただいているお客様の年齢層は30代後半〜40代以上が中心で、常連になってくださる方も多くいらっしゃいます。老舗ブランドとして十分認知いただけているという実感はありましたが、オートバイを持たなくなってきている20〜30代のお客様に向けたアプローチがうまくできていないことも課題の一つでした。 当初、TAKK Corp.へは使いやすくてイメージの良いECサイトを作ってもらえるように依頼していたのですが、それに対してECサイトの設計だけでなく広報全体に対する課題についてもアドバイスをいただけたのです。このECサイトを完成させて「どのように」「なにのために」活用するとよいのか、SNSへの露出や連携はどうするか、20〜30代のお客様を掴んでいくための戦略について・・・など。課題の掘り起こしだけでなく、その実行計画まで具体的にご提案をいただきました。 自分たちで想像できなかった課題に気付かされただけでなく、今のリソースですぐに実践できることがこんなにあるのかと驚きました。TAKK Corp.からのご提案を受けてECサイトを「作る」プロジェクトから、ECサイトで「ブランディングする」プロジェクトにしていこうというふうに考えが変わっていき、他の課題についてもご相談させていただくようになりました。 向き合わなければならない課題は部署と部署の「隙間」にあった 結果としてTAKK Corp.にはECサイトの制作だけでなく、当社の広報メンバーとしてもお手伝いいただくことになりました。当社には、商品開発や売り場のデザインなどを行う企画課がありますが、I Tや広報に精通した人材はそこまでいなかったので、そこを補っていただきたかったのです。 https://takk.tech/news/%e6%b5%b7%e5%a4%96%e8%a3%bd%e5%93%81%e3%82%92%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%b8 イタリアのブーツブランド「ジャンニファルコ」の日本向けプロモーションをお手伝い また、課題ごとに立ち上げたプロジェクトの社内マネジメントにおいてもご支援をお願いしました。 まず、業務の役割分担とコミュニケーションの方法を整えていただくところから始まったのですが、身近な例ですと、業務連絡が回覧板からチャットツール(Slack)になって、非常に楽になりましたね。それ以前も社内のコミュニケーションは活発な環境でしたので不便さを感じたこともなかったのですが、導入してみると従業員同士の意思疎通が格段にスムーズになり、メリットを実感しています。中にはこのように新しい仕組みを導入する際、抵抗感がある人間もいると思うのですが、TAKK Corp.が社内向けにレクチャーをしてくれたおかげでスムーズに導入することができました。 チャットツールはプロジェクトを進行するのにも大いに活用しています。「ECサイトチーム」「〇〇ブランドチーム」のようにプロジェクト単位でチームが作られ、そこに仕入部、営業部といった様々な部署の人間が参加して進捗を共有しています。TAKK Corp.のメンバーには全てのチームに参加してもらい、進行管理やフィードバックをしていただいているのですが、「社内」「社外」「部署」といった垣根を取り払ったコミュニケーションが日常的に行われるようになり、効率が良いです。プロジェクトの進捗だけでなく、お互いが考えていることや熱量までわかるようになりました。その影響もあって、今までおのおのが部署単位で完結していた業務について、他部署への影響を関連づけて考え、発信できるようになってきたと感じます。 長年にわたって仕入部は作る、営業部は売るというわかりやすい構図で進んできた中で、少しだけ踏み込んだ「隙間」の業務、例えば仕入部から営業部へ商品が渡る際にどのような方針で売るのがよいか、店舗や什器のデザインの方向性は?など、双方の課題になりえるのにどちらも実行できていない、そんな「隙間」をコミュニケーションで埋めてくれたのがTAKK Corp.でした。 それが表れていると感じた理由の一つとして、社員同士が「ブランディング」について会話しているのをよく耳にするようになりました。私が入社してからTAKK Corp.と活動させていただくまでは一度もなかったことで、非常に嬉しかったです。決して上層部の声だけが大きいということではなく、現場の担当者がこれを考えられるようになったというのは大きな進歩ではないでしょうか。 TAKK Corp.のご協力によって、社内全体に広報の概念が根付いてきたと感じます。 「制作アドバイザー」から「新境地を開くパートナー」に TAKK Corp.には広報関係者とのやりとりだけでなく、上層部とのコミュニケーションにおいても尽力いただいています。 当社は来年70周年を控えており、まさに今が広報に力を入れていきたいタイミングでもありますが、社内で決済を取るための動きや工数の管理など、外注先の立場としてではなく南海部品の一員としてTAKK Corp.のメンバーに毎月定例会にご参加いただき、進捗の共有や課題解決のためのプレゼンテーションを経営層向けに実施いただいております。 先月はECサイトのアクセス数を上げるための施策がテーマでしたが、ITの領域が得意でない者や、直接業務に携わっていない者にも噛み砕いてご説明をいただけるので、質の良い議論の場になっていると感じます。実は、TAKK Corp.との体制ができる以前は、このような経営層とのミーティングはほとんどありませんでした。社内のマネージャークラスの人間にとっても、会社のことや経営について意見する場ができたことは全体のボトムアップにもつながりますし、非常によかったと思っています。 このような過程を通じて、TAKK Corp.に対する印象はECサイトの制作を依頼した当時とは違ったものになりました。初めはITにまつわる問題点を補填しながら進行してくれるアドバイザーのようなイメージを持っていたのですが、その時々の当社の課題に寄り添ってくださり、今では70周年に向けての新たなブランディングの領域を一緒に考えていく素晴らしいパートナーです。 今後は、南海部品のことを知らないお客様に向けても魅力をお届けできる発信がより増えることと思っておりますので、引き続き併走していただけると嬉しいです。 戦略広報プロジェクトマネジメント業務の詳細はこちら https://takk.tech/news/prpm プロジェクト担当者コメント TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓 戦略広報の視点から戦略を練り、皆様と一緒に広報チームの運営を行っています。今後の70周年に向け様々なプロジェクトを計画中です。 広報戦略立案 集客戦略立案 広報チームの運用・マネジメント
2022.7.04
戦略広報実績事例インタビュー
GMB株式会社代表取締役社長 松岡祐吉氏GMBグループは1943年の創業より、独立系自動車部品メーカーとして、駆動・伝達系やエンジン部品といった多様な機能部品を製造・販売しています。新車用と修理用部品の両市場に向けて、日本はもとより欧州・北米・東南アジアの自動車メーカー・部品メーカーに製品を提供し、技術革新と新製品開発を通じて国際社会に貢献しております。2004年に東証1部に上場しており、2023年に80周年を迎えます。https://www.gmb.jp/ 組織の成長によっていなくなった「GMBマン」 1943年に祖父がGMB株式会社の前身である松岡精工所を創業いたしました。組織の規模が小さかった頃はそれなりに苦労もあったようですが、社訓である「和」の精神のもとに従業員やお客様との関わりをとても大切にする会社だったそうで、人情味のある家族的なカルチャーが根付いていたように思います。 その後、組織が成長し2004年の上場を経て今に至りますが、それまで築いてきた家庭的な雰囲気もだんだん変わっていきました。世の中に求められる大企業のレベルに適応するために、内製でやってきたことを外部のパートナーにお願いすることも出てきましたし、キャリア採用も必要でした。責任や影響力が大きくなる分、人情や信頼を大切にする組織に留まっていては限界が出てきてしまうためです。 こうして上場という大きな局面を迎えるためにさまざまな組織改革を行っていったわけですが、事業が大きくなる一方で創業当時からのカルチャーであった対従業員、対お客様との「エンゲージメント」や一人ひとりの「プライド」については薄れてきたように感じておりました。 社訓 昔は自身のことを「GMBマン」と言っている従業員もいたものです。しかし、組織が成長すればするほど属人的なカルチャーは規格化され、「オンリーワン」と謳いながらも特徴はなくなっていく、そんな雰囲気を感じながら、なんとかできないものだろうかと常に考えておりました。 海の向こうで見つけた、組織を変える糸口 2003〜2009年の間はアメリカの子会社に勤めていました。組織の雰囲気に対する危機感は拭えないままでしたが、当時の先進企業が揃って注力していた「CSR活動」に触れる機会があり、これはヒントになるなと思いました。早速CSRプロジェクトを立ち上げて、貧しい子供たちへの寄付やボランティア活動などを取り入れてみたところ、従業員のモチベーションが目に見えて上がってきたのです。私が赴任して間もない頃は、社員自ら積極的に何かを進めるような雰囲気をあまり感じられなかったのですが、CSR活動によって全体のボトムアップに繋がりその空気が一新したのです。 そのような経験もあり、社員のやる気を引き出すことは組織が成長するための絶対条件だと考えています。企業活動を持続する上で大切なことの一つとして、変化する世の中に適応することが挙げられると思いますが、社員のモチベーションが低い組織だと従来のやり方を変えることに寛容でなく、結果生き残れなくなってしまいます。 私が日本に帰国した2010年当時のGMBにもそのような空気が蔓延していたものですから、アメリカでの経験を踏まえて試行錯誤しながら今に至っています。現在、TAKK Corp.と行っている、戦略広報の側面からのアプローチはその組織改革の中の一つであり、社員のやる気を高めることを目標にインナーブランディングを中心にご支援をいただいているところです。 https://takk.tech/news/prpm/ 戦略広報とは ステークホルダーと循環する組織を実現するための発信と狙い ありがたいことに自動車部品市場における当社の認知度は高い方だと思います。しかしながら「GMB=特定の主力製品」のイメージが強く、ソリューション営業の領域においてはまだまだ改善の余地があると感じています。企業のブランディングには2006年頃から取り組んでいますが、その中の一つに自社製でない製品の販売があります。既存製品以外のシェアを拡大すべく取り組んだのですが、最初はなかなか思うように売り上げを伸ばすことはできませんでした。すでに競合製品で溢れているマーケットに対して単に新製品だからという理由で勝負しようとしても、お客様には価値を見出していただけないことを痛感しましたね。決してこの製品が語れる開発ストーリーを持っていなかったわけではなく、GMBとして「なぜ」この商品を売っているのかうまく発信ができていなかったのです。 既存製品の広報に力を入れてこなかった当社の盲点でしたね。営業トークも「まとめ買いでディスカウントしますよ」というような、既存製品に頼ったスタイルになってしまっていて事業の見直しを余儀なくされました。その後なんとか売り上げを5倍にまで伸ばすことができましたが大幅に時間もかかってしまい、既存製品と比べるとまだまだ伸び悩んでいる状況です。 そこで現在は、製品力以外の武器で勝負する方針に舵を切るべく、TAKK Corp.とともに新アイテムの拡張とソリューション営業を強化するための広報戦略を本格的に進めています。 テーマはモノからコトへの変遷であり「Harmony with GMB(GMBの和)」の推進です。これはGMBの社訓である「和」をTAKK Corp.に再構築いただいたものです。これまでの「和」は社員同士やお客様と協調するという意味合いが強いものでしたが、GMBが「和」を作り、広げ、循環させるという、今の私たちがなすべきスコープを内包したものにリニューアルいたしました。 策定した広報コンセプト これからは製品の素晴らしさを伝えることだけでなく、お客様のプレファレンスを高めるサービスを追求していかなければいけないと考えています。 プレファンスを高める広報戦略を実行する為の販促ツールの一部 シーズンズグリーティングメール ステークホルダーへの販促品 GMBオリジナルキャップ TAKK Corp.と広報チームがともに活動を進める中で特に注力しているのは、インナーブランディングです。先日も社内向けに社内の部署を紹介する動画を制作いただきましたが、一人ひとりの仕事に対する思いが伝わってきて、他部署の人間の心も動かすものになっていたと思います。もの作りの工程は知っていても、作り手の思いまでは知らない者がほとんどです。動画を通してそれをみんなが知ることが新しいカルチャーの第一歩になっていると感じています。 インナーブランディングの為に動画を広報チームで企画し社内へ配信 社外のステークホルダーに対しても「Harmony with GMB(GMBの和)」を推進しています。これによって、従業員一人ひとりの意識が、GMBと関わりのあるステークホルダーに対していわゆる「利害関係者」「上流・下流」「下請け」ではなく、一つの目的を達成するための同じチームの一員と捉えられるように変わっていってほしいと考えています。 なぜならば、例えば私たちがお客様の希望されている量の80%しか製品をご用意できなかった場合でも「申し訳ありません」と終わらせるのではなく、お客様の先にいるエンドユーザーに対しても想像力を働かせて欲しいと思っているからです。私たちが製品を用意できないことは誰にどれだけの影響を及ぼし、どのような結果を生むのかを全ての従業員が考慮できるようになれば、そこには助け合いの精神や団結が生まれ、一人ひとりのパワーも最大限引き出されていくと思うのです。製造からエンドユーザーまでを一つの「Harmony with GMB(GMBの和)」で捉え、「やってみよう」の声が自然に増えていくような組織を私たちは目指しております。 コンセプト解説 Harmony with GMB「with」は二つの意味を持ちます。①は「によって」ですが解釈すると「GMBによって和を実現させる」という意味合いになります。②の意味は「と共に」です。こちらは「GMBと共に和を実現させる」と解釈できます。三つの単語で簡潔で、以前からGMBが使っていた英訳の「Harmony」はそのまま活かしています。 At GMB, we are committed to fostering and promoting cooperation, goodwill, and mutual understanding between individuals and organizations in our pursuit of greater social harmony.こちらの文章では「Harmony」は具体的にどういうことを指しているかを説明します。つまり、「Harmony」は「cooperation」(協力)、「good will」(親善)、「mutual understanding」(お互いへの理解)という三つの要素から出来ています。こういった「Harmony」を作って拡大させていくGMBの皆様は個人と個人で、そして組織の間で和を実現させてより豊かな社会を創出しています。 私たちの扱う製品は一般消費財ではないので、エンドユーザーからダイレクトに評価をいただけることはほとんどありません。売れている理由が見えにくい製品と言えるでしょう。とはいえ作っている人間は皆思い入れがありますので、他人からフィードバックをもらえるとやりがいにも繋がります。そういった意味でも、全社に公開される紹介動画やブランドサイトはみんなの財産になると思います。 作り手の思いを紹介する社内動画とブランドサイト 社内に発信する際ですが、多少砕けた表現もよしとしながら工夫して作っています。真面目な気質の人間が多い当社にとっては「お!広報チームが何か変わったことを始めたな」と思ってもらえるくらいがちょうどよいようで、ほとんどの者が動画を楽しみに見てくれています。 世の中でエンゲージメントが高いと言われる組織は、緊張感の中に楽しさがあります。今後ともみんなで和気あいあいとした雰囲気を大切にしながら活動を推進していければと思っております。 グループ全体として存在感を増す80周年に 社内でのエンゲージメントを整えられた後には、よりストーリー性のある広報活動へシフトしていきたいですね。ちょうど来年80周年を迎えるので、社外向けにも私たちの歩みと活動について発信していきたいと思っています。また海外のグループ会社や工場、販売会社との繋がりについても見直すきっかけにもなれば良いなと思っていて、会社ごとに掲げている異なるビジョンだけでなく共通の方向性も作っていきたいですね。 一同に集まれる場所やイベントを考えるのも良いかもしれません。TAKK Corp.にはぜひその構想もお手伝いいただけたらと思っております。 周年広報実績を公開しましたので、詳しくはこちら ※追記2023/7/28 https://takk.tech/news/gmb-80th プロジェクト担当者コメント TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓 GMB株式会社様のプロジェクトは現在も進行中で様々な部署の方々と広報チームを一緒に運営しています。現在はインナーコミュニケーション関連が多いですが、今後社外へ発信するコーポレートPRやマーケティングPRに力を入れていく予定です。
2022.7.04
戦略広報実績周年広報実績事例インタビュー
白石工業株式会社取締役常務執行役員 高梨 博武氏白石グループは、ゴムやプラスチック、塗料、紙、シーラント、農材そして食品分野など様々な素材の原料となる「炭酸カルシウム」を専門に取り扱っています。海外拠点を含む22社によって構成され、製造を中心とする白石工業株式会社、 化学品専門商社の白石カルシウム株式会社、研究開発の株式会社白石中央研究所をはじめ、各社が一丸となって多角的な事業展開を行っています。https://www.shiraishi.co.jp/ 「100周年」という大命題を形にし、従業員のエンゲージメントが向上 当社グループは100年以上の歴史がありますが、グループ単位で広報活動に取り組み始めたのはここ3年ほどでまだ立ち上げの段階にあります。活動の中核を担う広報委員会は、主要3社である白石工業株式会社、白石カルシウム株式会社、株式会社白石中央研究所から部署・役職の異なる様々なメンバーによって構成されており、本来の業務と兼任でプロジェクトを進めています。広報委員会を作ったきっかけは、100周年の節目にこれまでの歴史と今後の活動について正しく発信していこうという動きからですが、広報に知見のある人材が足りていないことはおろか、グループとしての活動指針やガイドラインについても各社で認識が曖昧になっていたため、TAKK Corp.に戦略広報という視点からご支援をお願いすることにしました。 https://takk.tech/news/prpm 戦略広報とは 実は3社が協力して「白石グループ」として発信を行ったのは100周年のプロジェクトが初めてです。当時は広報委員会もなかったので、Webサイトなどのツール制作や情報発信は会社ごとに行うのが通例でした。そのため各社が異なるやり方や考えを持っており、初めのうちはすり合わせに時間がかかりました。 例えば「白石グループ」の企業・従業員の範囲はどこからどこまでを指すのか、という単純なことを議論するだけでも認識に少しずつ差があり、これにはやや危機感を覚えました。なぜならば、発信する情報を統一しても受け手の認識が共通化されていなければ誤解が生まれ、グループ全体のコミュニケーションの質が下がってしまうからです。そのため、何げなく使っている言葉であってもその場で丁寧に定義していきました。しかしながら3社でのミーティングは月1回程度と時間も限られています。そこで業務の役割分担や進捗管理はTAKK Corp.にお任せし、日々のマネジメントを行っていただきました。プロジェクトメンバーに広報専任の者が一人もいないという状況でしたが、TAKK Corp.にはメンバーの業務状況や得意分野も鑑みたタスクの割り振り等を柔軟に行っていただけたので、全く不安はありませんでした。最終的にはきちんとした成果物にしていただけましたし、プロジェクト進行のノウハウを実践的に学ぶことができたと感じております。 成果物の一つである100周年のスローガン「UNITED ONE」は共同で策定し、記念式典の場で全社員と取引関係者に向けて公式に発表を行いました。 100周年記念ロゴ https://www.youtube.com/watch?v=6rxK7LGPCj4 100周年コンセプトムービー ここに至るまでにはたくさんの議論を重ねましたね。今まで独立で動いていた3社がグループという一つの屋根の下に入った時に各社の個性をどう出すかをテーマに、お互いの特長や役割を出し合いながら丁寧に進めていきました。これによってグループとしてこれまでになかった一体感を生み出すことができただけでなく、発信する者にとっては公式な情報を定義・浸透させることの難しさや重要性を理解する場にもなり、非常に有意義な機会だったと感じています。 白石グループ 設立100周年特設サイト https://www.shiraishi.co.jp/100th/ グループのこれからを紡ぐ”オフィシャル”な発信 100周年を機にグループとしての広報活動を進めてきましたが、その後も継続的に発信をしていこうということで正式に広報委員会をTAKK Corp.と共に発足しました。 100周年プロジェクトは終息しても、白石グループの広報という枠組みでは一定の成果物を出し続けなければいけません。ゆくゆくは専任の部門を作ることを視野に入れながら、よりステークホルダーを意識した活動へとシフトを考えています。 100周年プロジェクトの活動実績は、グループ単位で考える意識の浸透という点において、インターナルコミュニケーションに一定の効果を発揮したと言えます。しかし、社外からも相応の評価をいただけるレベルに引き上げなければ、今後専任でやっていきたいと思う人間は決して多くないでしょう。そのためにも、広報委員会の活動と発信媒体が公式であると周知することが課題解決への第一歩だと考えています。そこで、現在TAKK Corp.には100周年という大仕事を終えた後も、委員会メンバーのモチベーションが下がったり目的を見失ったりしないよう活動をリードしていただいております。 その一つとして、101年目以降のスローガン「“0(ゼロ)から1∞(ヒャク)へ。シロからイロへ”(From 0 to 1∞ - A Colorful World Awaits)」を策定、発信いたしました。ロゴデザインはTAKK Corp.にご提案いただいたもので、数字の100を「∞」で表し、会社がこれからも存続するようにという想いを込めています。また「シロからイロへ」の部分は、白い石灰石を元に彩り豊かな社会を創生することを表現しています。 このように継続的に方針を定めることによって、社内報やイントラネットの活用についての議論や、新しいアイデアが自然に生まれ、グループとしての「公式」が徐々に整ってきています。制作進行に関してはTAKK Corp.にもデザインやアイデアのチェックに入っていただき、ガイドラインに沿っているか、スローガンを打ち出せているかなどのポイントを現場の担当者と詰めたものを広報委員会にてプレゼンいただくスキームを組んでもらっているので、業務がスムーズになりました。このように日々のプロセスが最適化されたことで、業務全体の精度も上がったと感じます。 ロゴマニュアル ステークホルダーを意識した「攻め」の広報が広報活動の価値をさらに高める 継続的な広報活動の甲斐あって、OBや株主の方々からWebサイトが非常にわかりやすくなったというお声をいただいております。社内報についても「社内のことをもっと知りたいのでぜひ続けてください」と言ってもらえていて、励みになりますね。今回「白石グループ」としての情報を集約したことによって、炭酸カルシウムの商社、物流、加工以外の取り組みも知っていただけるようになり、社内外問わず会社の印象は大きく変わったなと思います。 そのことは採用活動においても非常に重要で、入職者がどの配属先になっても違和感が生まれないような発信を心がけています。 主要3社から部署・役職を横断し作成した、白石グループとして初の会社パンフレット(日・英・繁体・簡体・スペイン語対応) 今の私たちの広報活動は「公式情報」の基盤づくりと日々のニュース発信の積み重ねですが、何かしら形に残すことによってグループ間の共通言語が出来上がる影響は大きいです。しかしながら広報部門ができたばかりの当社ではこの活動を相対的に評価する基準がなく、どれだけの影響があったかを定量的に評価できる仕組みについても考える必要があるでしょうね。そこがはっきりと見えてくることで、周りから自分たちのニュースを広報で取り上げて欲しいと言ってもらえるようになると良いですね。そういった意味でもやはり外向けの発信には力を入れていきたいです。世の中全体の炭酸カルシウムに関連する事柄に対して、当社グループがどう絡んでいくのかという姿勢を広報として示していくことが、営業活動の後押しにも繋がっていくと思いますので、広報委員会としてそのようなスタンスを確立していきたいと考えています。 周りからはまだまだ委員会のメンバーに対する「仕事が増えて大変そうだ」という印象が強いことも事実です。しかしながらグループ、そしてステークホルダーを盛り上げるムーブメントを起こすカギはTAKK Corp.と進める戦略広報にあると信じており、今後も積極的に活動を続けていきたいと思っております。 プロジェクト担当者コメント TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓 白石工業株式会社様のプロジェクトは現在も進行中で、広報チームのプロジェクトマネージャーとしてご支援させて頂いております。今後は主に社外へ発信するPR活動に力を入れていく予定です。
2022.7.04