専任者0人のチームで築き上げたグループ戦略広報の礎

2022.7.04

戦略広報実績

周年広報実績

事例インタビュー

白石工業株式会社
取締役常務執行役員 高梨 博武氏
白石グループは、ゴムやプラスチック、塗料、紙、シーラント、農材そして食品分野など様々な素材の原料となる「炭酸カルシウム」を専門に取り扱っています。海外拠点を含む22社によって構成され、製造を中心とする白石工業株式会社、 化学品専門商社の白石カルシウム株式会社、研究開発の株式会社白石中央研究所をはじめ、各社が一丸となって多角的な事業展開を行っています。
https://www.shiraishi.co.jp/

「100周年」という大命題を形にし、従業員のエンゲージメントが向上

当社グループは100年以上の歴史がありますが、グループ単位で広報活動に取り組み始めたのはここ3年ほどでまだ立ち上げの段階にあります。活動の中核を担う広報委員会は、主要3社である白石工業株式会社、白石カルシウム株式会社、株式会社白石中央研究所から部署・役職の異なる様々なメンバーによって構成されており、本来の業務と兼任でプロジェクトを進めています。広報委員会を作ったきっかけは、100周年の節目にこれまでの歴史と今後の活動について正しく発信していこうという動きからですが、広報に知見のある人材が足りていないことはおろか、グループとしての活動指針やガイドラインについても各社で認識が曖昧になっていたため、TAKK Corp.に戦略広報という視点からご支援をお願いすることにしました。

戦略広報とは

実は3社が協力して「白石グループ」として発信を行ったのは100周年のプロジェクトが初めてです。当時は広報委員会もなかったので、Webサイトなどのツール制作や情報発信は会社ごとに行うのが通例でした。そのため各社が異なるやり方や考えを持っており、初めのうちはすり合わせに時間がかかりました。

例えば「白石グループ」の企業・従業員の範囲はどこからどこまでを指すのか、という単純なことを議論するだけでも認識に少しずつ差があり、これにはやや危機感を覚えました。なぜならば、発信する情報を統一しても受け手の認識が共通化されていなければ誤解が生まれ、グループ全体のコミュニケーションの質が下がってしまうからです。そのため、何げなく使っている言葉であってもその場で丁寧に定義していきました。しかしながら3社でのミーティングは月1回程度と時間も限られています。そこで業務の役割分担や進捗管理はTAKK Corp.にお任せし、日々のマネジメントを行っていただきました。プロジェクトメンバーに広報専任の者が一人もいないという状況でしたが、TAKK Corp.にはメンバーの業務状況や得意分野も鑑みたタスクの割り振り等を柔軟に行っていただけたので、全く不安はありませんでした。最終的にはきちんとした成果物にしていただけましたし、プロジェクト進行のノウハウを実践的に学ぶことができたと感じております。

成果物の一つである100周年のスローガン「UNITED ONE」は共同で策定し、記念式典の場で全社員と取引関係者に向けて公式に発表を行いました。

100周年記念ロゴ
100周年コンセプトムービー

ここに至るまでにはたくさんの議論を重ねましたね。今まで独立で動いていた3社がグループという一つの屋根の下に入った時に各社の個性をどう出すかをテーマに、お互いの特長や役割を出し合いながら丁寧に進めていきました。これによってグループとしてこれまでになかった一体感を生み出すことができただけでなく、発信する者にとっては公式な情報を定義・浸透させることの難しさや重要性を理解する場にもなり、非常に有意義な機会だったと感じています。

白石グループ 設立100周年特設サイト https://www.shiraishi.co.jp/100th/

グループのこれからを紡ぐ”オフィシャル”な発信

100周年を機にグループとしての広報活動を進めてきましたが、その後も継続的に発信をしていこうということで正式に広報委員会をTAKK Corp.と共に発足しました。

100周年プロジェクトは終息しても、白石グループの広報という枠組みでは一定の成果物を出し続けなければいけません。ゆくゆくは専任の部門を作ることを視野に入れながら、よりステークホルダーを意識した活動へとシフトを考えています。

100周年プロジェクトの活動実績は、グループ単位で考える意識の浸透という点において、インターナルコミュニケーションに一定の効果を発揮したと言えます。しかし、社外からも相応の評価をいただけるレベルに引き上げなければ、今後専任でやっていきたいと思う人間は決して多くないでしょう。そのためにも、広報委員会の活動と発信媒体が公式であると周知することが課題解決への第一歩だと考えています。そこで、現在TAKK Corp.には100周年という大仕事を終えた後も、委員会メンバーのモチベーションが下がったり目的を見失ったりしないよう活動をリードしていただいております。

その一つとして、101年目以降のスローガン「“0(ゼロ)から1∞(ヒャク)へ。シロからイロへ”(From 0 to 1∞ – A Colorful World Awaits)」を策定、発信いたしました。ロゴデザインはTAKK Corp.にご提案いただいたもので、数字の100を「∞」で表し、会社がこれからも存続するようにという想いを込めています。また「シロからイロへ」の部分は、白い石灰石を元に彩り豊かな社会を創生することを表現しています。

このように継続的に方針を定めることによって、社内報やイントラネットの活用についての議論や、新しいアイデアが自然に生まれ、グループとしての「公式」が徐々に整ってきています。制作進行に関してはTAKK Corp.にもデザインやアイデアのチェックに入っていただき、ガイドラインに沿っているか、スローガンを打ち出せているかなどのポイントを現場の担当者と詰めたものを広報委員会にてプレゼンいただくスキームを組んでもらっているので、業務がスムーズになりました。このように日々のプロセスが最適化されたことで、業務全体の精度も上がったと感じます。

ロゴマニュアル

ステークホルダーを意識した「攻め」の広報が広報活動の価値をさらに高める

継続的な広報活動の甲斐あって、OBや株主の方々からWebサイトが非常にわかりやすくなったというお声をいただいております。社内報についても「社内のことをもっと知りたいのでぜひ続けてください」と言ってもらえていて、励みになりますね。今回「白石グループ」としての情報を集約したことによって、炭酸カルシウムの商社、物流、加工以外の取り組みも知っていただけるようになり、社内外問わず会社の印象は大きく変わったなと思います。

そのことは採用活動においても非常に重要で、入職者がどの配属先になっても違和感が生まれないような発信を心がけています。

主要3社から部署・役職を横断し作成した、白石グループとして初の会社パンフレット(日・英・繁体・簡体・スペイン語対応)

今の私たちの広報活動は「公式情報」の基盤づくりと日々のニュース発信の積み重ねですが、何かしら形に残すことによってグループ間の共通言語が出来上がる影響は大きいです。しかしながら広報部門ができたばかりの当社ではこの活動を相対的に評価する基準がなく、どれだけの影響があったかを定量的に評価できる仕組みについても考える必要があるでしょうね。そこがはっきりと見えてくることで、周りから自分たちのニュースを広報で取り上げて欲しいと言ってもらえるようになると良いですね。そういった意味でもやはり外向けの発信には力を入れていきたいです。世の中全体の炭酸カルシウムに関連する事柄に対して、当社グループがどう絡んでいくのかという姿勢を広報として示していくことが、営業活動の後押しにも繋がっていくと思いますので、広報委員会としてそのようなスタンスを確立していきたいと考えています。

周りからはまだまだ委員会のメンバーに対する「仕事が増えて大変そうだ」という印象が強いことも事実です。しかしながらグループ、そしてステークホルダーを盛り上げるムーブメントを起こすカギはTAKK Corp.と進める戦略広報にあると信じており、今後も積極的に活動を続けていきたいと思っております。


プロジェクト担当者コメント

TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓

白石工業株式会社様のプロジェクトは現在も進行中で、広報チームのプロジェクトマネージャーとしてご支援させて頂いております。今後は主に社外へ発信するPR活動に力を入れていく予定です。

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