「よいものを作って発信する」がゴール?自己完結型だった組織が協力型に変わったきっかけ

2022.7.04

戦略広報実績

事例インタビュー

南海部品株式会社 営業部WEB課 杉本幸一氏

南海部品株式会社は、オートバイなどのモーターサイクル関連用品専門店(直営店・フランチャイズ店・ECサイト「NANKAI BRAND SHOP」)の運営を行っており、オリジナル商品から海外ブランドまで広く取り扱っています。昭和26年の創業から二輪用品市場を牽引し、2023年には70周年を迎えます。
http://www.nankaibuhin.co.jp/

完成のその先を見据えたゴール設定がプロジェクト継続のカギ

私が所属するWEB課では、主に自社ホームページやECサイトの企画運営と、CRM・CSなど顧客体験向上のための取り組みを担当しています。

1年ほど前から、より多くのお客様に商品を知っていただくための情報発信力を強化する目的でECサイトを立ち上げようと考えており、TAKK Corp.に制作を依頼させていただきました。

実店舗をご利用いただいているお客様の年齢層は30代後半〜40代以上が中心で、常連になってくださる方も多くいらっしゃいます。老舗ブランドとして十分認知いただけているという実感はありましたが、オートバイを持たなくなってきている20〜30代のお客様に向けたアプローチがうまくできていないことも課題の一つでした。

当初、TAKK Corp.へは使いやすくてイメージの良いECサイトを作ってもらえるように依頼していたのですが、それに対してECサイトの設計だけでなく広報全体に対する課題についてもアドバイスをいただけたのです。このECサイトを完成させて「どのように」「なにのために」活用するとよいのか、SNSへの露出や連携はどうするか、20〜30代のお客様を掴んでいくための戦略について・・・など。課題の掘り起こしだけでなく、その実行計画まで具体的にご提案をいただきました。

自分たちで想像できなかった課題に気付かされただけでなく、今のリソースですぐに実践できることがこんなにあるのかと驚きました。TAKK Corp.からのご提案を受けてECサイトを「作る」プロジェクトから、ECサイトで「ブランディングする」プロジェクトにしていこうというふうに考えが変わっていき、他の課題についてもご相談させていただくようになりました。

向き合わなければならない課題は部署と部署の「隙間」にあった

結果としてTAKK Corp.にはECサイトの制作だけでなく、当社の広報メンバーとしてもお手伝いいただくことになりました。当社には、商品開発や売り場のデザインなどを行う企画課がありますが、I Tや広報に精通した人材はそこまでいなかったので、そこを補っていただきたかったのです。

イタリアのブーツブランド「ジャンニファルコ」の日本向けプロモーションをお手伝い

また、課題ごとに立ち上げたプロジェクトの社内マネジメントにおいてもご支援をお願いしました。

まず、業務の役割分担とコミュニケーションの方法を整えていただくところから始まったのですが、身近な例ですと、業務連絡が回覧板からチャットツール(Slack)になって、非常に楽になりましたね。それ以前も社内のコミュニケーションは活発な環境でしたので不便さを感じたこともなかったのですが、導入してみると従業員同士の意思疎通が格段にスムーズになり、メリットを実感しています。中にはこのように新しい仕組みを導入する際、抵抗感がある人間もいると思うのですが、TAKK Corp.が社内向けにレクチャーをしてくれたおかげでスムーズに導入することができました。

チャットツールはプロジェクトを進行するのにも大いに活用しています。「ECサイトチーム」「〇〇ブランドチーム」のようにプロジェクト単位でチームが作られ、そこに仕入部、営業部といった様々な部署の人間が参加して進捗を共有しています。TAKK Corp.のメンバーには全てのチームに参加してもらい、進行管理やフィードバックをしていただいているのですが、「社内」「社外」「部署」といった垣根を取り払ったコミュニケーションが日常的に行われるようになり、効率が良いです。プロジェクトの進捗だけでなく、お互いが考えていることや熱量までわかるようになりました。その影響もあって、今までおのおのが部署単位で完結していた業務について、他部署への影響を関連づけて考え、発信できるようになってきたと感じます。

長年にわたって仕入部は作る、営業部は売るというわかりやすい構図で進んできた中で、少しだけ踏み込んだ「隙間」の業務、例えば仕入部から営業部へ商品が渡る際にどのような方針で売るのがよいか、店舗や什器のデザインの方向性は?など、双方の課題になりえるのにどちらも実行できていない、そんな「隙間」をコミュニケーションで埋めてくれたのがTAKK Corp.でした。

それが表れていると感じた理由の一つとして、社員同士が「ブランディング」について会話しているのをよく耳にするようになりました。私が入社してからTAKK Corp.と活動させていただくまでは一度もなかったことで、非常に嬉しかったです。決して上層部の声だけが大きいということではなく、現場の担当者がこれを考えられるようになったというのは大きな進歩ではないでしょうか。

TAKK Corp.のご協力によって、社内全体に広報の概念が根付いてきたと感じます。

「制作アドバイザー」から「新境地を開くパートナー」に

TAKK Corp.には広報関係者とのやりとりだけでなく、上層部とのコミュニケーションにおいても尽力いただいています。

当社は来年70周年を控えており、まさに今が広報に力を入れていきたいタイミングでもありますが、社内で決済を取るための動きや工数の管理など、外注先の立場としてではなく南海部品の一員としてTAKK Corp.のメンバーに毎月定例会にご参加いただき、進捗の共有や課題解決のためのプレゼンテーションを経営層向けに実施いただいております。

先月はECサイトのアクセス数を上げるための施策がテーマでしたが、ITの領域が得意でない者や、直接業務に携わっていない者にも噛み砕いてご説明をいただけるので、質の良い議論の場になっていると感じます。実は、TAKK Corp.との体制ができる以前は、このような経営層とのミーティングはほとんどありませんでした。社内のマネージャークラスの人間にとっても、会社のことや経営について意見する場ができたことは全体のボトムアップにもつながりますし、非常によかったと思っています。

このような過程を通じて、TAKK Corp.に対する印象はECサイトの制作を依頼した当時とは違ったものになりました。初めはITにまつわる問題点を補填しながら進行してくれるアドバイザーのようなイメージを持っていたのですが、その時々の当社の課題に寄り添ってくださり、今では70周年に向けての新たなブランディングの領域を一緒に考えていく素晴らしいパートナーです。

今後は、南海部品のことを知らないお客様に向けても魅力をお届けできる発信がより増えることと思っておりますので、引き続き併走していただけると嬉しいです。

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プロジェクト担当者コメント

TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓

戦略広報の視点から戦略を練り、皆様と一緒に広報チームの運営を行っています。今後の70周年に向け様々なプロジェクトを計画中です。

  • 広報戦略立案
  • 集客戦略立案
  • 広報チームの運用・マネジメント
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