見えない価値「非財務資本」の重要性

非財務の企業価値とは、財務諸表には出てこない企業の価値のことを指しています。
例えば、財務諸表上では人材に関する項目は人件費などの損益としてしか記載されていません。
しかし、実際のところ企業が事業活動を行い利益が出せるのは人材の能力などによる目に見えない、これまで数値化することが難しかった部分が大きく影響しています。
非財務の企業価値をしっかりと数字で表現して反映することが求められる時代に突入しています。

2022年5月23日の金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の中で、有価証券報告書にサステナビリティ情報記載欄が新設され、人的資本や多様性といった非財務情報の開示の充実を求めることが確認されました。
このように今後の企業経営においては、財務情報以外の非財務情報、換言すれば非財務資本(見えない資本:インビジブル・キャピタル)の重要性が非常に高まっていると言えます。

非財務資本の種類

非財務資本には、自然資本、社会・関係資本、人的資本、知的資本、製造資本の5種類があります。
その中でも日本では人的資本経営が重要視され、リスキリングが注目を集めています。
しかしビジネスパーソンはこれまでも学ぶことが求め続けられおり、一体今までと何がどう違うのかと混乱している方もいるのではないでしょうか。
リスキリングについては詳しくこちらでご紹介していますので併せてお読みください。

PBRで日本企業が海外企業に及ばない理由

引用:フィデリティ投信

PBRとは、時価総額が会計上の純資産(株主資本)の何倍であるかを表す指標です。
最近日本でもこのPBRがよく使われ「日本企業のPBR1倍割れ」の文字をメディアでもよく目にします。
PBRは倍率が高いほど「非財務資本」が大きいことを表すが、日本企業のPBRは1倍付近でここ20年以上停滞しています。
これは日本が財務資本主義で非財務資本への投資や対応を疎かにし続けている結果だと捉えられます。
アメリカの上場企業平均が約3倍なのに対し、明確に低い水準です。東証1部でも1000社以上がPBR1倍を下回る、すなわち時価総額が純資産より少ない状態にあります。
これは簡単にいうと、”稼いでいる金額以上の価値はない”とみることもでき、社内の人材資本やSDGs貢献は評価されていないことになります。

財務資本+非財務資本=企業価値

今までの稼ぎ至上主義の時代は終焉を迎えようとしています。
企業価値を計るモノサシの種類が変わっていることに気付きましょう。
儲けと直接的にイコールで結ばれない非財務資本ではありますが、企業価値に必ず結びつきます。
そして、新しいモノサシで計測されても価値が出るような経営をしていきましょう。

>Goal Driven, Future Focused.

Goal Driven, Future Focused.

未来を見据えてアクションを取り(Future Focused) そのアクション自体の原動力はゴール(Goal Driven)であるという理念のもとに事業を遂行する。

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