変化を恐れない自立型組織であり続けるために。個の力を最大化させてきたGMBカルチャーの今

GMB株式会社
代表取締役副社長・営業本部長 松岡祐吉氏
GMBグループは1943年の創業より、独立系自動車部品メーカーとして、駆動・伝達系やエンジン部品といった多様な機能部品を製造・販売しています。新車用と修理用部品の両市場に向けて、日本はもとより欧州・北米・東南アジアの自動車メーカー・部品メーカーに製品を提供し、技術革新と新製品開発を通じて国際社会に貢献しております。2004年に東証1部に上場しており、2023年に80周年を迎えます。
https://www.gmb.jp/

組織の成長によっていなくなった「GMBマン」

1943年に祖父がGMB株式会社の前身である松岡精工所を創業いたしました。組織の規模が小さかった頃はそれなりに苦労もあったようですが、社訓である「和」の精神のもとに従業員やお客様との関わりをとても大切にする会社だったそうで、人情味のある家族的なカルチャーが根付いていたように思います。

その後、組織が成長し2004年の上場を経て今に至りますが、それまで築いてきた家庭的な雰囲気もだんだん変わっていきました。世の中に求められる大企業のレベルに適応するために、内製でやってきたことを外部のパートナーにお願いすることも出てきましたし、キャリア採用も必要でした。責任や影響力が大きくなる分、人情や信頼を大切にする組織に留まっていては限界が出てきてしまうためです。

こうして上場という大きな局面を迎えるためにさまざまな組織改革を行っていったわけですが、事業が大きくなる一方で創業当時からのカルチャーであった対従業員、対お客様との「エンゲージメント」や一人ひとりの「プライド」については薄れてきたように感じておりました。

社訓

昔は自身のことを「GMBマン」と言っている従業員もいたものです。しかし、組織が成長すればするほど属人的なカルチャーは規格化され、「オンリーワン」と謳いながらも特徴はなくなっていく、そんな雰囲気を感じながら、なんとかできないものだろうかと常に考えておりました。

海の向こうで見つけた、組織を変える糸口

2003〜2009年の間はアメリカの子会社に勤めていました。組織の雰囲気に対する危機感は拭えないままでしたが、当時の先進企業が揃って注力していた「CSR活動」に触れる機会があり、これはヒントになるなと思いました。早速CSRプロジェクトを立ち上げて、貧しい子供たちへの寄付やボランティア活動などを取り入れてみたところ、従業員のモチベーションが目に見えて上がってきたのです。私が赴任して間もない頃は、社員自ら積極的に何かを進めるような雰囲気をあまり感じられなかったのですが、CSR活動によって全体のボトムアップに繋がりその空気が一新したのです。

そのような経験もあり、社員のやる気を引き出すことは組織が成長するための絶対条件だと考えています。企業活動を持続する上で大切なことの一つとして、変化する世の中に適応することが挙げられると思いますが、社員のモチベーションが低い組織だと従来のやり方を変えることに寛容でなく、結果生き残れなくなってしまいます。

私が日本に帰国した2010年当時のGMBにもそのような空気が蔓延していたものですから、アメリカでの経験を踏まえて試行錯誤しながら今に至っています。現在、TAKK Corp.と行っている、戦略広報の側面からのアプローチはその組織改革の中の一つであり、社員のやる気を高めることを目標にインナーブランディングを中心にご支援をいただいているところです。

戦略広報とは

ステークホルダーと循環する組織を実現するための発信と狙い

ありがたいことに自動車部品市場における当社の認知度は高い方だと思います。しかしながら「GMB=特定の主力製品」のイメージが強く、ソリューション営業の領域においてはまだまだ改善の余地があると感じています。企業のブランディングには2006年頃から取り組んでいますが、その中の一つに自社製でない製品の販売があります。既存製品以外のシェアを拡大すべく取り組んだのですが、最初はなかなか思うように売り上げを伸ばすことはできませんでした。すでに競合製品で溢れているマーケットに対して単に新製品だからという理由で勝負しようとしても、お客様には価値を見出していただけないことを痛感しましたね。決してこの製品が語れる開発ストーリーを持っていなかったわけではなく、GMBとして「なぜ」この商品を売っているのかうまく発信ができていなかったのです。

既存製品の広報に力を入れてこなかった当社の盲点でしたね。営業トークも「まとめ買いでディスカウントしますよ」というような、既存製品に頼ったスタイルになってしまっていて事業の見直しを余儀なくされました。その後なんとか売り上げを5倍にまで伸ばすことができましたが大幅に時間もかかってしまい、既存製品と比べるとまだまだ伸び悩んでいる状況です。

そこで現在は、製品力以外の武器で勝負する方針に舵を切るべく、TAKK Corp.とともに新アイテムの拡張とソリューション営業を強化するための広報戦略を本格的に進めています。

テーマはモノからコトへの変遷であり「Harmony with GMB(GMBの和)」の推進です。これはGMBの社訓である「和」をTAKK Corp.に再構築いただいたものです。これまでの「和」は社員同士やお客様と協調するという意味合いが強いものでしたが、GMBが「和」を作り、広げ、循環させるという、今の私たちがなすべきスコープを内包したものにリニューアルいたしました。

策定した広報コンセプト

これからは製品の素晴らしさを伝えることだけでなく、お客様のプレファレンスを高めるサービスを追求していかなければいけないと考えています。

プレファンスを高める広報戦略を実行する為の販促ツールの一部

シーズンズグリーティングメール
ステークホルダーへの販促品 GMBオリジナルキャップ

TAKK Corp.と広報チームがともに活動を進める中で特に注力しているのは、インナーブランディングです。先日も社内向けに社内の部署を紹介する動画を制作いただきましたが、一人ひとりの仕事に対する思いが伝わってきて、他部署の人間の心も動かすものになっていたと思います。もの作りの工程は知っていても、作り手の思いまでは知らない者がほとんどです。動画を通してそれをみんなが知ることが新しいカルチャーの第一歩になっていると感じています。


インナーブランディングの為に動画を広報チームで企画し社内へ配信

社外のステークホルダーに対しても「Harmony with GMB(GMBの和)」を推進しています。これによって、従業員一人ひとりの意識が、GMBと関わりのあるステークホルダーに対していわゆる「利害関係者」「上流・下流」「下請け」ではなく、一つの目的を達成するための同じチームの一員と捉えられるように変わっていってほしいと考えています。

なぜならば、例えば私たちがお客様の希望されている量の80%しか製品をご用意できなかった場合でも「申し訳ありません」と終わらせるのではなく、お客様の先にいるエンドユーザーに対しても想像力を働かせて欲しいと思っているからです。私たちが製品を用意できないことは誰にどれだけの影響を及ぼし、どのような結果を生むのかを全ての従業員が考慮できるようになれば、そこには助け合いの精神や団結が生まれ、一人ひとりのパワーも最大限引き出されていくと思うのです。製造からエンドユーザーまでを一つの「Harmony with GMB(GMBの和)」で捉え、「やってみよう」の声が自然に増えていくような組織を私たちは目指しております。

コンセプト解説

Harmony with GMB
「with」は二つの意味を持ちます。①は「によって」ですが解釈すると「GMBによって和を実現させる」という意味合いになります。
②の意味は「と共に」です。こちらは「GMBと共に和を実現させる」と解釈できます。三つの単語で簡潔で、以前からGMBが使っていた英訳の「Harmony」はそのまま活かしています。

At GMB, we are committed to fostering and promoting cooperation, goodwill, and mutual understanding between individuals and organizations in our pursuit of greater social harmony.
こちらの文章では「Harmony」は具体的にどういうことを指しているかを説明します。つまり、「Harmony」は「cooperation」(協力)、「good will」(親善)、「mutual understanding」(お互いへの理解)という三つの要素から出来ています。こういった「Harmony」を作って拡大させていくGMBの皆様は個人と個人で、そして組織の間で和を実現させてより豊かな社会を創出しています。


私たちの扱う製品は一般消費財ではないので、エンドユーザーからダイレクトに評価をいただけることはほとんどありません。売れている理由が見えにくい製品と言えるでしょう。とはいえ作っている人間は皆思い入れがありますので、他人からフィードバックをもらえるとやりがいにも繋がります。そういった意味でも、全社に公開される紹介動画やブランドサイトはみんなの財産になると思います。

作り手の思いを紹介する社内動画とブランドサイト

社内に発信する際ですが、多少砕けた表現もよしとしながら工夫して作っています。真面目な気質の人間が多い当社にとっては「お!広報チームが何か変わったことを始めたな」と思ってもらえるくらいがちょうどよいようで、ほとんどの者が動画を楽しみに見てくれています。

世の中でエンゲージメントが高いと言われる組織は、緊張感の中に楽しさがあります。今後ともみんなで和気あいあいとした雰囲気を大切にしながら活動を推進していければと思っております。

グループ全体として存在感を増す80周年に

社内でのエンゲージメントを整えられた後には、よりストーリー性のある広報活動へシフトしていきたいですね。ちょうど来年80周年を迎えるので、社外向けにも私たちの歩みと活動について発信していきたいと思っています。また海外のグループ会社や工場、販売会社との繋がりについても見直すきっかけにもなれば良いなと思っていて、会社ごとに掲げている異なるビジョンだけでなく共通の方向性も作っていきたいですね。

一同に集まれる場所やイベントを考えるのも良いかもしれません。TAKK Corp.にはぜひその構想もお手伝いいただけたらと思っております。


プロジェクト担当者コメント

TAKK株式会社 代表取締役 湯浅卓

GMB株式会社様のプロジェクトは現在も進行中で様々な部署の方々と広報チームを一緒に運営しています。現在はインナーコミュニケーション関連が多いですが、今後社外へ発信するコーポレートPRやマーケティングPRに力を入れていく予定です。

>Goal Driven, Future Focused.

Goal Driven, Future Focused.

未来を見据えてアクションを取り(Future Focused) そのアクション自体の原動力はゴール(Goal Driven)であるという理念のもとに事業を遂行する。

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